【2017/01/05 公開 閲覧無料】『株式市場の“盲点”を斬る!』第240回


『申酉(さるとり)騒ぐ今年も市場は荒れる?』


「申酉(さるとり)騒ぐ」という相場格言通り、昨年は株価の値動きが激しい相場展開となりました。

日経平均は年初から6営業日続落でスタートすると、大発会を高値に2月には節目の15000円を割り込むなど年初から下げ続けます。

年後半はトランプ相場で盛り返し、年間で約80円高と5年連続で上昇して取引を終えたものの、あまりの急展開に、11月半ばからの上げ相場に乗り切れず、悔しい思いをされた方も多かったことでしょう。

いよいよ、2週間後の1月20日にトランプ米大統領が就任します。相場格言通り、今年も激動の年になる予感がいたしますが、果たして、上げ、下げどちらに転ぶことになるのでしょうか?

■ブレグジットの再来も

米国で大統領が8年ぶりに交代するほかにも、オランダ、フランス、ドイツなど欧州の主要国で選挙が相次ぎます。

欧州では移民流入による治安悪化が社会問題になっており、移民受け入れを求める欧州連合(EU)から離脱を目指す、極右・ポピュリスト政党が勢力を伸ばす可能性が指摘されています。

昨年6月23日(*投票結果が判明したのは日本時間24日)に英国のEU離脱決定(ブレグジット)で市場は大荒れとなりましたが、今年も欧州発の政治イベントがきっかけで、株式市場の変動率が高まることが考えられます。

2017年の主な政治日程と注目ポイントは次の通りです。

1月20日 トランプ米大統領就任(TPP離脱を表明へ)
3月05日 自民党党大会(安倍総裁の任期を21年まで延長)
3月中  米連邦債務上限の引き上げ(上下両院の承認が必要)
3月中  オランダ議会選挙(反EU勢力:自由党がどこまで伸びるか)
5月07日 フランス大統領選挙(極右政党・国民戦線のル・ペン党首の善戦)
9月中  ドイツ議会選挙(メルケル首相の支持率低下)
同   スペイン・カタルーニャ州がスペインからの独立を問う住民投票

株式市場にも影響を与える政治日程が山積しており、ブレグジットのような株安が起こらないとも限りません。

■株は恐怖に対する報酬

ただ、政治などの外的ショックで株価が下がるようであれば、そこは絶好の買い時になる事は、2016年に私たちは身をもって経験しました。

6月24日のブレグジット、11月9日のトランプショック。いずれも日経平均は1日で一時1000円超下落しましたが、当日の終値で買っていれば、1ヵ月後にはそれぞれ11%高、17%高と高パフォーマンスを得られた計算になります。

2016年の年間の日経平均の上昇率はわずか0.4%にすぎません。持ち続けるよりも、急落時に買って、1ヵ月程度で売却する方が効率的であることがお分かり頂けたでしょう。

日経平均が1000円超も下げた日に買うのは相当な勇気が必要ですが、買うのが怖いからこそ、その分の高い報酬を受け取ることができるのかもしれません。

■“11兆円”の買いは約束されている?

ここで、昨年の売買動向を振り返ってみましょう。

一昨年まで日本株の上得意様だった外国人投資家は昨年1年間に約2.8兆円売り越しました。(先物・現物の合算)また、個人は約2.5兆円売り越しています。

順張り志向の強い外国人と、逆張りを好む個人が共に投資行動をとるのはまれですが、計5.3兆円売り越しました。にもかかわらず、日本株が上昇したのは、彼らを上回る買い主体がいたためです。

日銀が約4.4兆円買い越しました。さすがに日銀だけでは外国人、個人の売りを消化しきれませんが、企業の自社株買いが年5兆円になったと試算されており、両者で売りを吸収したことになります。

2017年は日銀が年6兆円買うことを公言しています。買うのをやめると言わない限り、今年も株価が上昇する公算が高いといえます。

また、自社株買いが昨年と同程度の年5兆円ほど入ると仮定すれば、両者で計11兆円の買いが約束されているわけです。需給面だけで考えれば、もう、日本株が下がる気がしなくなってきます。

ただ、ここには盲点が…。日銀が買い入れる日本株はすべての上場企業ではないため、買う対象か否かを見定める必要があります。

現時点で対象となるのは、日経平均、TOPIX、JPX日経インデックス400、設備投資・人材投資に積極的な企業を対象にしたETFのみです。

東証1部上場の約2000社は全社対象になりますが、ジャスダックからは6社、2部からは1社、マザーズからは1社それぞれ採用されているにすぎず、中小型や新興株は日銀ETF買いの恩恵にあずかることができません。

また、日銀に次ぐ買い主体である自社株買いも、体力のある1部上場の主力企業が行うことが多く、新興企業が行うケースはまれ。

日銀や自社株買いが見込めないため、新興市場や中小型株は上がりにくい需給環境が続く可能性があります。



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